おしゃべり少女隊

あしたの自分にささやく日記。

新しい年の始まりは、シャンパーニュの新たなプリンスと過ごしてみて♡

ウートピ・ワインラボの浮田所長が「新年に飲みたい泡」をおすすめしているシリーズ第2回目は、シャンパーニュの“新たなプリンス”と目される一本です。

2016年に最高評価を受けたシャンパーニュ

2016年、日本のトップ・ワイン・テイスターたちから最高評価を受けたシャンパーニュはシャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴでした(ン万円もするプレステージ・シャンパーニュは除く)。希望に満ちた2017年の到来を祝う場に最も相応しい泡はこれだと、ワインラボ所長・浮田も断言できます。

1851年創業のシャルル・エドシックはイギリス、スウェーデン、ロシア、オランダなど世界の王室や宮廷で愛され、チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚に際してはロイヤル・ウェディング・キュヴェを発表して話題をさらいました。創業者の“シャンパン・チャーリー”ことシャルル=カミーユ・エドシックはアメリカに渡り、スパイの嫌疑をかけられるなどしながら、シャンパーニュの魅力をPRして回った立志伝中の人物。彼の波乱に満ちたストーリーはヒュー・グラント主演のTV映画にもなっています。

焼きたてのブリオッシュのような香りがふんわりと

ブリュット・レゼルヴは、シュポッと抜栓してグラスに注いだ直後にはふんわりとした酵母の香りと香ばしいナッツ、キノコやオレンジピールの香りがします。泡は繊細で口当たりはスムース。焼きたてのブリオッシュのような味と香りが食欲中枢を刺激します。酸は控えめでテクスチャに厚みがあり、後口にハニーレモンの人懐っこい風味が残ります。時間とともに、古酒のような丸みが立ち上がって、ますます広大な印象、柔和な表情になります。

このシャンパーニュを偉大にしているのは、ベースワインに40%も含まれるリザーブワイン*。通常リザーブワインには3年物、5年物を使うメゾンが多いなか、シャルル・エドシックでは、ブリュット・レゼルヴァの場合で最長15年間の熟成を経たワインも使われていて、それがこのシャンパーニュの風格と丸み、複雑さにつながっています。

*リザーブワイン:一般にシャンパーニュではその年に収穫したブドウから造る新しいワインに熟成を経たワインを混ぜたものをベースワインとし、それを瓶内で二次的に発酵させることでスパークリングにする。この際用いる熟成を経たワインのことをリザーブワインという。

1年の計を立てる日に飲むのですから、このシャンパーニュに関する有難い逸話をひとつ披露しておきましょう。じつは数年前まで、シャルル・エドシックは瀕死寸前のメゾンと言われていました。1980年代にこのメゾンを買収した企業が他のビジネスを優先し、シャンパーニュへの注力を怠ったためでした。

しかし、2011年に別のラグジュアリー企業の傘下に移ると、シャルル・エドシックは瞬く間に蘇りを果たします。その裏には不遇の時代にもクオリティを落とさぬよう、不断の努力を続けていた現場の人たちの献身がありました。途絶えていた日本への輸入が再開されたのは去年の夏のこと。「思いと努力はいつか必ず報われる」シャンパーニュの新たなプリンスは、グラスのなかでそう語りかけます。

価格:7500円(税別)
問い合わせ先:日本リカーTel 03・5643・9780

写真:片岡弘道

(浮田泰幸)



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