個人的な話なのですが、ひと月前から異様に足が太くなってしまいまして、最初は夏バテによる運動不足と甘いものの食べ過ぎで太ったのかと思っていたのですが、その後運動を再開しても、足は太くなるばかり…。

 そこで原因を探ったところ、意外にも「靴を変えたせいで太くなった」疑惑が深まったのですが、靴と太さの因果関係はあまり知られてないと思うので、ご報告したいと思います。

サンダルは足を太くする?



 そもそも私は、普段から運動靴を愛用してまして、特に腰痛になった5年前からはMBTという独特なシューズを履き続けているのですね。

 が、このシューズは底が高いうえ、中敷きでサイズを調整するので、5センチくらい身長がアップ。夏は暑苦しいと思ったこともあり、別メーカーのペタンコ運動靴を履いていたのです。

 が、ある日、長距離を歩いた後で太ももの前側が激しい筋肉痛に襲われて、理由をトレーナーさんに聞いてみたら「太ももの前側が痛くなるのは、歩き方のせいですよ」との話。

 そこで、私が普段から体を見てもらっているアーユルヴェーダに詳しいエステティシャンの山崎はるなさんに私の歩き方を見てもらったところ、「にらさわさんの歩き方は、足の指を使えていませんね。ちょこちょこと歩くから、不安定な歩き方になり、脛もふくらはぎも使えておらず、余計な場所に肉がつくんです」とのご指摘を受けました。

 山崎さんによると、

・サンダル履きの方も、小指を上げるようにして歩くので、足首を使えない方が多い

・歩くときは本来、(1)かかと(2)小指の付け根(3)つま先の3点で体を支えるべきだが、サンダルなどを履いた場合は、足の指側が上がりやすくなり、2点で体を支えることになる。

「すると、レッグ前など余計な場所に力が入るので、いわゆる“大根足”のようになったり、足首を使わないので“ゾウ足”のようになってしまうのです」

…なんと恐ろしいことでしょう。考えたこともありませんでしたが、めちゃくちゃ思い当たりました。

足を正しく使うには靴が大事



 改善策としては、「普段から、足の指で地面を蹴る意識で歩くといいですよ。すると、足首が動きますから、ふくらはぎの筋肉が柔軟になります」と山崎さん。実践しようと思ったのですが、それにはシューズ選びも大事という気がします。

 そこで改めて先のトレーナーさんに伺ったところ、最近のシューズの人気傾向について詳しく教えてくれました。

アルトラ公式サイトより http://altrazerodrop.jp/

「足の指が使えるかどうかを靴が左右するという説は、一理あると思います。MBTは極端なタイプですが、“ゼロドロップ”という前後差が無い靴が、今、米国等の“ベアフットランニング”やウォーキング界でジワジワと見直されてきています。

 ベアフットランニングというのは、裸足感覚で走るランニング方法で、靴を履いてランニングした時よりも、裸足でランニングした時の方が足にかかる衝撃が50~70%も軽減されるという説や、膝や足首への負荷が少なくて済むなどの説から、見直されているんです。

 シューズは、靴のクッションに頼りすぎず、足そのもののクッションを使う仕様のものが見直されてきており、ゼロドロップシューズでは指もしっかり使えるようになっています。

『着地がしやすい、かかとにクッションの多い靴で歩くと、逆に怪我しやすいのは、裸足の時代には無かった』というのが、理論の根拠です。ゼロドロップは、極論では、サンダルや裸足で歩いても負担にならないよう『矯正をする靴』と言えるかもしれません。メーカーでいうと、“アルトラ”などが有名です」

 なるほど! まったく知らない世界の話でしたが、いずれにしても歩く時に、「足の指」をしっかり使うというのは、正しい歩き方の大前提なのかもしれません。そういえば、MBTシューズを買う時も、「足の指を使えるように」と大きなサイズを勧められました。

 ということで、私にように足が太くて悩んでいる人は、もしかしたら、元が太いのではなくて、太くなる歩き方をしているだけなのかもしれません。

 思い当たることが少しでもある方は、歩く時に、「足の指を小指までしっかり使って、足を支えているか」を意識したり、それを「実現できる靴を履いているか」を改めてチェックしてみましょう。

<TEXT/にらさわあきこ>
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