【モードをリアルに着る! Vol.19/小林直子】
「ヴィクトリア・ベッカム」の2018年春夏コレクションのファーストルックは、オーガンジーでできたペンシルスカートでした。
ファーストルックであるということは、これが今の気分であり、「ヴィクトリア・ベッカム」としては一押しである、ということです。
今あらためてのタイトスカート
さて、ペンシルスカートと呼ばれているタイトスカートについてです。
皆さんもご存知のように、スカート丈は長くなったり、短くなったりを繰り返します。
ここのところもう随分と短いスカートが流行で、ひざ下のタイトスカートなどというものは、90年代で見たのが最後かというくらいで、2000年代に入ってからは淘汰されていたものでした。
もちろんタイトスカートがなくなったわけではありませんでしたが、あるとしてもほとんどスカート丈が55センチぐらいのひざ上丈、そして、どちらかというとオフィス向けということでした。その結果、私たちのイメージには、あの就職活動中の学生に見られるような、おしゃれとは無縁のスーツの際に着るのがタイトスカート、みたいな感じになってしまっていました。
しかし今回、「ヴィクトリア・ベッカム」が提案しているのは、そんな就職活動スーツの際に着るようなタイトスカートではありません。丈も長く、何よりも素材がオーガンジーという非常に繊細な素材です。
ひざ下丈のタイトスカートが多く提案された2018年春夏
オーガンジーという素材は透けています。つまり透けているスカートです。ですから、これはオフィス向けのスカートではないということです。
モードの提案する形の一つとして、オフィスでは見られないような素材を使い、丈も長く、色もパステルカラーにすることで、より洗練されて、シックなものへとタイトスカートを変化させました。
こんなペンシルスカート、2018年の春夏では、「ヴィクトリア・ベッカム」のほかに、マックス・マーラ、カルバン・クライン、プラダ、バレンシアガなどでも出てきていますので、これからひざ下丈のタイトスカートが多く出てくるようになるでしょう。
普通の素材はNG!総レースや光沢のある生地を探してみては?
では、こんな新しい解釈のひざ下丈ペンシルスカート、ハイブランドを買わないで、どうやって取り入れようか、ということです。
まず、オーガンジーのペンシルスカートは普通には売っていないでしょう。これからも量販店で売られることもないと思います。理由は、オーガンジーは見てのとおり、非常に繊細な素材であるということ、そして何より透けるので、日本ではほとんど売れないだろうからです。
けれどもここで、普通のオフィスへ着ていくような素材のペンシルスカートは今の気分ではありません。もっと装飾性があったり、きれいな色であったりといったところが、2018年風なわけです。
オーガンジーではないにしても、光沢のあるサテンであるとか、総レースのひざ下丈ペンシルスカートだったら、古着のパーティー向けスカートの中にあるかもしれません。今、普通の店舗にはほとんどこういったものはないと思いますので、古着もしくは中古で見つけるとよいでしょう。
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